自己破産経験者インタビュー 自己破産に対する誤った理解が解ければ、必ず楽になれる
第1章 ギャンブル狂時代
◆本業よりギャンブル優先の生活
吉田さんの職業はフリーランスのライター。25歳で大学を卒業し、そのままフリーライターの道へ。正社員として会社に属した経験はない。収入は安定せず、月収100万円の月もあれば、まったく“ゼロ”という月も年に数回はあったという。
出版の仕事なんて、まるで興味はなかったんですけど、“流れ”でそうなってしまったんです。とは言っても、魅力はありました。それは、会社員ほど仕事に拘束されず、自由な時間がたくさん持てること。元来、仕事が大嫌いな上にギャンブル、とくにパチンコ・パチスロが大好きで、会社員になったら平日の朝から打つことなんてできなくなるでしょ。それが耐えられなかったんですよ。ギャンブル好きが言うと信憑性がないかもしれませんが、実は金銭欲はあまりなくて、ライターとしての収入は年収で300万円もあれば十分だと本気で思っていました。そう考えると、実働で一週間もあれば20万円以上は稼げて、残り3週間は遊んで暮らせるライターという職業はボクにとって理想だと思いましたね
家賃7万5000円の小さなワンルーム・マンションに住み、決して贅沢な暮らしはできなかったそうだが、彼の描いた理想の絵図どおり、“パチスロ三昧”の生活を満喫していた。 ところが5年前、様相は一変する。
ボクはプロじゃないですからね。それまでもトータルでの収支はもちろんマイナス。でもそれは収入の範囲内であって、知人に借りるとか、ましてや消費者金融で借りるなんて考えたこともありませんでした。つまり“借りる”という発想そのものがなかったわけです。ところが5,6年前くらいからパチスロ機のスペックが大きく変わり、射幸性の高い超ハイリスク・ハイリターンのマシンがホール設置機種の主流となったんです。さらに非合法の爆裂機種もあちらこちらに設置されるようになり、すっかりハマってしまいました。1日20万円勝つことも当たり前ならば、20万円負けることも当たり前。そんな時代に突入してしまったわけです。こうなると金銭感覚は完全に崩れ、『まだまだ十分に取り返せる』と、20万円くらいなら平気でブチ込むようになり、1日10万円負け程度では落ち込むことすらなくなっていきました。もちろんボクだけじゃなく、多くの遊技者がすっかり狂わされ、「昨日A店のトイレで首吊り自殺があった」なんて物騒なウワサもこの頃はよく耳にしたもんです。
<<はじめに 第2章 第一次借金時代>>
|